1. ウォーカープラススクレイピングの基礎知識
ウォーカープラスから全国のイベント情報や人気スポットの情報を取り出して活用したい!と思ったことはありませんか?
そんな時に役立つのが「スクレイピング」です。
この章ではスクレイピングの基本概念から、ウォーカープラススクレイピングを活用した事例、必ず守るべき倫理と注意点まで丁寧に解説していきます。
これを読めば、ウォーカープラススクレイピングを始めるための基礎知識がバッチリ身につきます!
ウォーカープラス(WalkerPlus)とは?
「ウォーカープラス」って聞いたことはあるけど、実際どんなサービスかよく知らない…という方もいるかもしれません。
このセクションでは、ウォーカープラスの概要、掲載されているイベントの種類、そしてその利用方法について分かりやすく解説します。
ウォーカープラスを深く理解することで、スクレイピングで何ができるのか、その可能性が見えてくるはずです!
ウォーカープラスは、株式会社KADOKAWAが運営する、日本最大級のお出かけ・イベント情報サイトです。季節のイベント(花火、イルミネーション、紅葉など)から、最新の映画・グルメ情報まで、休日を楽しみたい幅広いユーザーに利用されています。
ウォーカープラスには、全国のお出かけに関する様々な情報が掲載されています。具体的には以下のような情報が挙げられます。
・イベントの基本情報:イベント名、開催期間、会場(住所)、アクセス、最寄駅など
・イベントの詳細情報:イベント概要、料金、時間、駐車場情報の有無、公式サイトURL、問い合わせ先など
・スポット・ランキング情報:各エリアの人気スポット、季節特集(いちご狩り、BBQなど)の施設一覧、ユーザーの注目度など
これらの情報は、休日のお出かけ先探しはもちろん、地域活性化のための市場調査や、観光・レジャー業界のトレンド分析にも役立ちます。スクレイピングを活用することで、これらの情報を効率的に収集し、ビジネスに活用することが可能になります。
スクレイピングとは?そのメリット・デメリット
スクレイピングとはWebサイトから情報を自動的に抽出する技術のことです。
人間がPC、スマホ画面で見ている情報をプログラムを使って収集するイメージです。
ウォーカープラスの場合は、イベント・施設情報(開催期間、場所、料金、内容など)をまとめて取得できます。
スクレイピングのメリット
メリットとしては、データ収集の手間が大幅に省けること、大量のデータを効率的に集められることなどが挙げられます。
例えば、全国の季節イベントを網羅的に把握したり、特定エリアのレジャー需要を分析したりするのに役立ちます。
スクレイピングのデメリット
しかし、デメリットも存在します。
Webサイトの構造変更によってスクレイピングプログラムが動かなくなる可能性や、サーバーに負荷をかけすぎてしまう可能性があるのです。
後ほど解説する倫理と注意点を守り、適切な方法でスクレイピングを行うことが重要です。
次のセクションではウォーカープラススクレイピングの具体的な活用事例を見ていきましょう!
ウォーカープラススクレイピングの活用事例
ウォーカープラススクレイピングで集めたデータは、様々なビジネスシーンで活用できます。例えば下記のような事例です。
・観光・レジャー市場調査:特定のエリアや季節におけるイベントの開催頻度や人気ジャンルを把握し、自治体や企業の観光施策に活かす。
・競合イベント分析:同地域・同期間に開催される他社のイベント情報(内容、料金設定、動員規模など)を分析し、自社イベントの差別化を図る。
・コンテンツ制作・DB構築:観光アプリやニュースサイトにおいて、最新のイベント情報を反映したデータベースの自動更新に活用する。
・営業リスト作成:イベントを主催している団体や、新しくオープンした施設の情報を取得し、BtoBの営業活動(ケータリング、音響機材、広告枠販売など)に活用する。
これらの他にも、アイデア次第で様々な活用方法が考えられます。
スクレイピングでデータ収集を自動化すれば、ビジネスチャンスを広げられる可能性が高まります。
ただし、スクレイピングを行う際には、倫理的な側面と注意点に配慮することが不可欠です。
次のセクションで詳しく解説します。
スクレイピングの倫理と注意点(著作権、利用規約、robots.txtへの配慮)
スクレイピングは便利な技術ですが、使い方を誤ると法的な問題に発展する可能性があります。
違法行為にならないよう以下の点に注意しましょう。
・著作権:スクレイピングで取得した情報を無断で自社サイトに転載・複製することは著作権侵害にあたります。
・利用規約:ウォーカープラスの利用規約を必ず確認し、スクレイピングが禁止されていないか確認しましょう。規約に違反するとアクセス遮断などの措置が取られる場合があります。
・robots.txt:robots.txtは、Webサイトがクローラーに対してアクセスを許可する範囲を指定するためのファイルです。ウォーカープラスのrobots.txtを確認し、許可されている範囲内でデータを取得するようにしましょう。
これらの点に注意し、倫理的に問題のない範囲でスクレイピングを行うことが重要です。
次の章では具体的にスクレイピングツール「Struccle」について解説します!
Struccle(ストラクル)とは?
Struccle(ストラクル)とは、プログラミング不要のスクレイピングツールです。
Webスクレイピングは、近年のビジネスにおいて幅広く活用されています。しかし、プログラミングの知識や経験がない方にとっては、少し難しいと感じるかもしれません。
そんな悩みを解決するのが「Struccle」です。
Struccleは、プログラミングの知識がなくても、マウス操作だけでWebスクレイピングを実行できます。PCにダウンロードも不要なSaaS型のwebサービスです。
数あるWebスクレイピングツールの中でも、Struccleは特に使いやすいツールだと自負しております。
Struccleはノーコードで操作できるだけでなく、Webスクレイピングに必要な機能が豊富に備わっています。
さらに、Struccleにはよく使われるWebサイトのスクレイピングテンプレートが用意されています。
テンプレート機能とは?
ほんの数クリックですぐに対象サイトのデータを収集できる便利機能です。
Struccleを使ったウォーカープラススクレイピング実践
ここからは実際にStruccleのテンプレート機能を使用して、ウォーカープラスのイベント情報リストを収集する手順を解説していきます。
今回は例として下記条件でウォーカープラスのイベント情報リストを収集していきます。
・エリア:関東
・ジャンル:現在開催中の正月イベント(終了日が2026.01.10以降のものに設定)
・対象件数:651件(取得時点)
ステップ1:Struccleの「データ収集」でスクレイピングモデルを生成する
「パーサー」というスクレイピングに必要なスクレイピングモデルを作成していきます。
詳細ページパーサーの作成
詳細ページのデータを取得するためのパーサーを「データ収集」の「新規チャット」から作成します。
・いずれかのイベント詳細ページを開いてURLをコピー

① 取得した詳細ページのURLを入力
② 「取得開始」 →「詳細ページ」を押下
③ 「モデル作成」を押下
④ 「確認」を押下

データ取得がうまくいかない場合は「モデル選択」で「gemini-2.5-flash-lite」を選択して何度かやり直してみましょう。
以下の画面のようにデータ項目が正常に取得できていればOKです。

一覧ページパーサーの作成
一覧ページのURLを取得するためのパーサーを「データ収集」の「新規チャット」から作成します。
・イベント一覧のページURLをコピー

① 取得した一覧ページのURLを入力
② 「取得開始」 →「一覧ページ」を押下
③ 「モデル作成」を押下
④ 「確認」を押下

以下の画面のようにデータ項目が正常に取得できていればOKです。

ページネーションパーサー
一覧ページのすべてのURLを取得するためのページネーションURLをExcelもしくはスプレッドシートで作成します。
すべてのURLというのは、正月イベント一覧の対象として表示されるイベントのURLすべてのことです。
▼下の例であれば、663件が67ページに分割されているので67ページ分の一覧ページを取得できるようにします。


このページネーションURLは後ほど使います。
ステップ2:Struccleの「定期設定」でスクレイピングのスケジュール設定をする
「定期設定」メニューの「スケジュール追加」でパーサーやページネーションURLをセットし、スクレイピングスケジュール実行をします。
URLの対象
「URLの対象」では、先ほど作ったページネーションURLをページ数分すべて入力・「追加」・「OK」します。


パーサー選択
・一つ目のパーサー選択は、
「パーサー選択」→一覧ページパーサーで作ったパーサー
「列を選択する」→「url」
・二つ目のパーサー選択(次のパーサー)は、
「パーサー選択」→詳細ページパーサーで作ったパーサー
「列を選択する」→source_url

設定を登録
全体の設定は以下の画面の通りです。
・設定できたら、「登録」を押下

・「即実行」を押下

ステップ3:Struccleの「結果確認」でデータCSVダウンロード
「結果確認」メニューからデータ取得ができます。
・スクレイピングでデータ収集が終わったら「開く」を押下

・データ内容に問題なければ「DL」からCSVデータをダウンロード

ステップ4:データをExcelやスプレッドシートにインポートするなどして活用
スプレッドシートなどに読み込むと、イベント名、会場名、開催期間、詳細URLなどがリスト化されます。


Appendix:データの加工と活用
ダウンロードしたデータはそのままだと使いにくい場合があるので、さらに適宜処理しましょう。
今回は、関東のファミリー向け店舗の販促・イベント実施についての判断可否という想定で、データを元に判断を行いました。
イベントデータから、店舗と同じ市区町村でファミリー向けイベントが開催されていれば当該店舗は販促イベントなどの実施・注力をするというものです。
ChatGPT
ダウンロードしたCSVデータだけではファミリー向けのイベントなのかがわからないため、市区町村で対象データを抽出した上で、CSVを読み込ませ列を追記した上でファミリー向けかどうかを判定してもらいました。

ピボットテーブル(Excel・スプレッドシート)
Chat GPTで判定列を追記したCSVを再度スプレッドシートに読み込み、ピボットテーブルなどを使えば関東のどこの地区にファミリー向け正月イベントが集中しているか分かりやすく、店舗の販促活動に注力することができます。

生成AIは使い勝手が良いものの、データが重いと動作が遅くなりがちなので、ざっくりとしたデータの切り捨て精査はあらかじめしておくとスムーズに使えます。
まとめ:Struccleでウォーカープラススクレイピングをもっと手軽に
今回は、「Webスクレイピング」の基礎から、Webスクレイピングツール「Struccle」を使ったウォーカープラスのイベント情報取得方法までを解説しました。
Struccleを使えば、プログラミングの知識がなくても、簡単に最新の観光・レジャー情報を集めることができます。さらに、スケジュールを設定しておけば、好きなタイミングで自動的にスクレイピングを実行し、常に最新のイベントカレンダーを維持することも可能です。

