記事の対象者と解消できるお悩み
【対象者】
初級データアナリスト、初級データエンジニア、初級データサイエンティスト
【興味関心】
- BigQueryのパフォーマンス向上ベストプラクティス
- BigQueryのデータモデリング
- BigQueryの分析コスト削減
【解消できるお悩み】
- BigQueryで分析しやすいようにデータを構造化する方法がわからない…
- クエリの実行速度が遅く、分析に時間がかかってしまう…
- BigQueryのストレージコストが高額になってしまい、削減したい…
- データの重複や矛盾が発生しやすく、データの整合性を保てない…
- BigQueryに適したデータモデリング手法を知りたい
記事作成者
【人物】株式会社志庵 代表取締役 佐藤 光 起業6年目
【経歴】株式会社光通信➜光通信同期と起業➜データアナリスト転職➜SaaSで2度目起業
【会社実績】
SaaS 資金調達無しARR2億円
SaaS GMV200億円
【内容】自社AaaSであるStruccle、webスクレイピング、BigQueryに関する記事を作成
各種用語
- ARR(Annual Recurring Revenue)
- サブスクリプションサービスの年間売上※当社はSaaS売上
- Struccle(ストラクル)
- 株式会社志庵が独自開発しているAaaS
- AaaS(アース)
- Data Analytics as as Serviceの意
- SaaS(サース)
- Software as a Serviceの意
- GoogleCloudPlatform
- Googleが提供するクラウドプラットフォーム。この中に様々なサービスが存在する。
- GCP(ジーシーピー)
- GoogleCloudPlatformの略
- BigQuery(ビッグクエリ)
- 上記GCPの中に含まれるデータ分析基盤サービス
- SQL(エスキューエル)
- データベースを操作するプログラミング言語
- クエリ
- SQLで記述した命令文
- クエリ例)
- SQL構文のクエリ⬇
SELECT item_name, price FROM sales_table where price >= 1000;
- 上記クエリ(命令文)の意味としては「売上テーブル(sales_table)から価格(price)が1000円以上の商品名(item_name)と価格(price)を抽出する」
- SQL構文のクエリ⬇
- ペタバイト
- データの単位 ペタバイト=1000テラバイト=約100兆行のデータ
概要
BigQueryで効率的かつ効果的なデータ分析を行うためには、適切なデータモデリングが不可欠です。
データモデリングとは、データをどのように構造化し、BigQueryに格納するかを設計することです。
適切なデータモデルは、クエリのパフォーマンス向上、ストレージコストの削減、データの整合性確保などに貢献します。
この記事では、BigQueryにおけるデータモデリングの基礎知識と、効率的なデータ分析を実現するための設計ポイントを解説します。
データモデリングの重要性、基本的な概念、BigQueryに適したモデリング手法などを理解し、より効果的なデータ分析基盤を構築しましょう。
目次
- BigQueryのデータモデリングとは?
- BigQueryでデータモデリングが重要な理由
- BigQueryに適したデータモデリング手法
- BigQueryデータモデリングの設計ポイント
- FAQ:BigQueryに関するよくある質問
- まとめ:BigQueryのデータモデリングで分析力を高めよう!
1. BigQueryのデータモデリングとは?
BigQueryのデータモデリングとは、データをどのように構造化し、BigQueryに格納するかを設計することです。
具体的には以下の要素を決定します。
- テーブル: データを格納する基本単位。関連するデータをまとめて格納します。
- カラム: テーブル内の各データ項目。データ型や制約などを定義します。
- リレーションシップ: テーブル間の関係性。外部キーなどを用いて、テーブル同士を関連付けます。
適切なデータモデリングを行うことで、データの整合性、クエリのパフォーマンス、ストレージ効率などを向上させることができます。
2. BigQueryでデータモデリングが重要な理由
BigQueryでデータモデリングが重要な理由は、以下の点が挙げられます。
- クエリのパフォーマンス向上: 適切なデータモデルは、クエリの実行速度を向上させます。例えば、データの正規化やパーティション分割を行うことで、クエリが処理する必要のあるデータ量を減らすことができます。
- ストレージコストの削減: 適切なデータモデルは、ストレージ容量を削減し、コストを削減します。例えば、データ型を適切に選択したり、不要なデータを削除したりすることで、ストレージ容量を削減できます。
- データの整合性確保: 適切なデータモデルは、データの重複や矛盾を防ぎ、データの整合性を確保します。例えば、外部キー制約を設定することで、関連するテーブル間でデータの整合性を保つことができます。
- データ分析の効率化: 適切なデータモデルは、データ分析を容易にし、効率化します。例えば、分析に適した形でデータを構造化することで、必要なデータを簡単に抽出することができます。
3. BigQueryに適したデータモデリング手法
BigQueryに適したデータモデリング手法には、以下のようなものがあります。
3.1 スタースキーマ(Start Schema)
スタースキーマはデータウェアハウスで広く利用されているモデリング手法です。
中心に「ファクトテーブル」と呼ばれるテーブルがあり、その周囲に「ディメンションテーブル」と呼ばれるテーブルが配置されます。
ファクトテーブルには、分析対象となる数値データ(売上金額、アクセス数など)が格納され、ディメンションテーブルには、分析軸となる属性データ(顧客情報、商品情報、日付情報など)が格納されます。
スタースキーマは、クエリのパフォーマンスが高く、データ分析に適した構造であるため、BigQueryでもよく利用されます。
3.2 データボルト(Data Vault)
データボルトは、様々なデータソースから収集した生データを、加工せずにそのまま格納する手法です。
データボルトでは、データの正規化や構造化を行わないため、データの柔軟性が高く、様々な用途に利用することができます。
BigQueryは、大規模なデータも効率的に格納できるため、データボルトの実装に適しています。
データボルトに格納された生データは、必要に応じて加工・分析され、様々なビジネスニーズに対応することができます。
4. BigQueryデータモデリングの設計ポイント
BigQueryでデータモデリングを行う際の設計ポイントをいくつか紹介します。
4.1 データ正規化と非正規化
データ正規化は、データの重複を排除し、データの整合性を高めるための手法です。
一方、データ非正規化は、クエリのパフォーマンスを向上させるために、意図的にデータの重複を許容する手法です。
BigQueryでは、クエリのパフォーマンスを重視するため、非正規化を採用することが多いです。
ただし、データの整合性を損なわないように、適切なバランスで正規化と非正規化を組み合わせる必要があります。
4.2 パーティション分割とクラスタリング
パーティション分割とクラスタリングは、BigQueryのクエリパフォーマンスを向上させるための重要な技術です。
パーティション分割は、テーブルを特定のカラムの値に基づいて分割することで、クエリ処理の対象となるデータ量を減らすことができます。
クラスタリングは、テーブルを特定のカラムの値に基づいてクラスタリングすることで、関連するデータが物理的に近い場所に保存されるため、クエリ処理を高速化できます。
BigQueryでデータモデリングを行う際には、パーティション分割とクラスタリングを適切に設定することで、クエリのパフォーマンスを最大限に引き出すことができます。
4.3 データ型の選択
BigQueryでは様々なデータ型が用意されています。
データ型を適切に選択することで、ストレージ容量を削減し、クエリ処理を高速化することができます。
例えば、数値データにはINT64やFLOAT64、文字列データにはSTRING、日付データにはDATEなど、データの内容に適したデータ型を選択しましょう。
5. FAQ:BigQueryに関するよくある質問
Q1. BigQueryのデータモデリングは難しいですか?
BigQueryのデータモデリングは、データベース設計の知識や経験があると有利ですが、初心者の方でも基本的な概念を理解すれば、ある程度のモデリングを行うことができます。
Google Cloudの公式ドキュメントや、BigQueryのデータモデリングに関する記事などを参考にしながら、学習を進めていきましょう。
Q2. BigQueryのデータモデルを変更することはできますか?
はい、BigQueryのデータモデルは後から変更することができます。
ただし、データモデルの変更は、既存のクエリに影響を与える可能性があるため注意が必要です。
データモデルを変更する場合は、事前に十分なテストを行い、影響範囲を確認するようにしましょう。
Q3. BigQueryのデータモデリングに関する相談はどこにすれば良いですか?
BigQueryのデータモデリングに関する相談は、Google Cloudのサポートや、BigQueryのコミュニティフォーラムなどで質問することができます。
また、当社でもご相談を承っております。
6. まとめ:BigQueryのデータモデリングで分析力を高めよう!
BigQueryで効率的かつ効果的なデータ分析を行うためには、適切なデータモデリングが不可欠です。
この記事で紹介したデータモデリングの基礎知識や設計ポイントを参考に、BigQueryのデータモデルを最適化し、データ分析力を高めましょう。
導入サポートをご希望の企業様はお問い合わせフォームからご相談くださいませ。
誠心誠意精一杯対応いたします。
【参考URL】
GoogleCloudPlatform:https://console.cloud.google.com/welcome/new
BigQuery:https://cloud.google.com/bigquery?hl=ja
BigQueryリリース情報:https://cloud.google.com/bigquery/docs/release-notes
BigQuery料金:https://cloud.google.com/bigquery/pricing
BigQuery料金無料枠:https://cloud.google.com/bigquery/pricing?hl=ja#free-tier
BigQueryクエリ最適化:https://cloud.google.com/bigquery/docs/best-practices-performance-overview?hl=ja
Google Cloud活用事例:https://cloud.google.com/customers/index.html?hl=ja#
Looker Studio:https://cloud.google.com/looker-studio?hl=ja
Looker Studioサンプル:https://cloud.google.com/bigquery/docs/visualize-looker-studio?hl=ja
Google Analytics:https://developers.google.com/analytics?hl=ja
Google Analyticsサポート:https://support.google.com/analytics/