記事の対象者と解消できるお悩み
【対象者】
初中級データアナリスト
【興味関心】
- 消費トレンド分析
- 市場調査
- アメリカ経済の動向
- 顧客ターゲティング
- 新規事業の機会
【解消できるお悩み】
- アメリカの消費者が何にお金を使っているか知りたい
- 消費トレンドの変化をいち早く察知したい
- アメリカ経済の現状と将来展望を理解したい
- 自社の商品やサービスに適した顧客層を特定したい
- アメリカ市場で成功するためのビジネスチャンスを見つけたい
記事作成者
【人物】株式会社志庵 代表取締役 佐藤 光 起業6年目
【経歴】株式会社光通信➜光通信同期と起業➜データアナリスト転職➜SaaSで2度目起業
【会社実績】
SaaS 資金調達無しARR2億円
SaaS GMV200億円
【内容】自社AaaSであるStruccle、webスクレイピング、BigQueryに関する記事を作成
各種用語
- ARR(Annual Recurring Revenue)
- サブスクリプションサービスの年間売上※当社はSaaS売上
- Struccle(ストラクル)
- 株式会社志庵が独自開発しているAaaS
- AaaS(アース)
- Data Analytics as a Serviceの意
- SaaS(サース)
- Software as a Serviceの意
- GoogleCloudPlatform
- Googleが提供するクラウドプラットフォーム。この中に様々なサービスが存在する。
- GCP(ジーシーピー)
- GoogleCloudPlatformの略
- BigQuery(ビッグクエリ)
- 上記GCPの中に含まれるデータ分析基盤サービス
- SQL(エスキューエル)
- データベースを操作するプログラミング言語
- クエリ
- SQLで記述した命令文
- クエリ例)
- SQL構文のクエリ⬇
SELECT item_name, price FROM sales_table where price >= 1000;
- 上記クエリ(命令文)の意味としては「売上テーブル(sales_table)から価格(price)が1000円以上の商品名(item_name)と価格(price)を抽出する」
- SQL構文のクエリ⬇
- ペタバイト
- データの単位 ペタバイト=1000テラバイト=約100兆行のデータ
概要
経済の動向を把握することは、ビジネス戦略を立てる上で非常に重要です。特に、アメリカは世界最大の経済大国であり、その消費行動は世界経済に大きな影響を与えます。アメリカ人は、どのような商品やサービスにお金を使っているのか、消費支出のトレンドはどのように変化しているのか、これらの情報を分析することで、市場の動向を理解し、ビジネスチャンスを掴むことができます。
今回は、Google Cloudのデータウェアハウス「BigQuery」と、アメリカ合衆国労働統計局が公開している消費支出データを使って、アメリカ人の消費行動を分析し、そこから経済動向を読み解く方法を解説します。BigQueryの強力な分析機能を活用することで、膨大な消費支出データから、年齢層別、地域別、品目別の消費傾向などを分析することができます。この記事では、BigQueryを使って消費支出データを分析する方法と、そこから得られたインサイトを紹介します。データ分析初心者の方でも、BigQueryを使えば、複雑な経済データ分析に挑戦し、アメリカ経済の現状と将来予測を理解するヒントを得ることができるでしょう。
目次
- BigQueryで消費支出データ分析を行うメリット
- 分析に使用するBigQueryのデータセット
- BigQueryで消費支出データを分析する手順
- BigQueryを使った消費支出データ分析例
- FAQ:BigQueryに関するよくある質問
- まとめ:BigQueryで消費支出データを分析し、ビジネスチャンスを掴もう!
1. BigQueryで消費支出データ分析を行うメリット
BigQueryは、消費支出データ分析に最適なツールです。その理由は、以下の様なメリットがあるからです。
- 大規模データの高速処理: 膨大な消費支出データを高速に分析できるため、消費トレンドの変化を効率的に把握できます。
- 様々なデータソースとの連携: 公開データ、自社データ、外部データなど、様々なデータソースと連携できるため、消費支出データと他のデータを組み合わせて、より深い分析を行うことができます。
- 豊富な分析機能: SQL、機械学習、統計分析など、高度な分析機能を利用できるため、複雑な消費支出データ分析にも対応できます。
- コストパフォーマンスの高さ: 従量課金制なので、必要な時に必要なだけ利用でき、コストを抑えられます。
- 高いセキュリティ: Google Cloudの強固なセキュリティ基盤により、安心してデータを管理できます。
2. 分析に使用するBigQueryのデータセット
今回の分析では、BigQueryの公開データセット「bigquery-public-data.iowa_liquor_sales.sales」を使用します。このデータセットは、bigquery-public-data.iowa_liquor_sales.salesで、アイオワ州の酒類販売データですが、ここからアメリカ人の消費行動を分析するヒントを見つけ出すことができます。
3. BigQueryで消費支出データを分析する手順
BigQueryで消費支出データを分析し、アメリカ人の消費行動を読み解く手順は以下の通りです。
3.1 1. データ確認
まず、データセットの内容を確認します。BigQueryコンソールのUIでデータセットのスキーマを確認したり、サンプルデータをプレビューしたりすることで、データの構造や内容を理解することができます。`bigquery-public-data.iowa_liquor_sales` データセットには、 `sales`のテーブルが含まれており、酒類販売データ関する情報が記録されています。
3.2 2. データ加工
必要に応じて、データを加工します。例えば、日付データを年、月、日、曜日などに分割したり、特定の支出項目や世帯属性に絞り込んだり、集計を行ったりします。BigQueryは、SQLを使ってデータ加工を行うための様々な関数を提供しています。
3.3 3. データ分析
加工したデータに対して、SQLクエリやBigQuery MLなどを用いて分析を行います。例えば、支出項目別の支出金額の推移、世帯収入別の支出傾向、地域別の消費行動などを分析することができます。また、機械学習を用いて、将来の消費トレンドを予測するモデルを構築することも可能です。
3.4 4. 考察と分析結果の活用
分析結果に基づいて、アメリカ人の消費行動と経済動向を考察します。どのような商品やサービスが人気なのか、消費行動はどのように変化しているのか、どのような要因が消費に影響を与えているのかなどを分析し、レポートにまとめます。分析結果を基に、新たな商品やサービスの開発、マーケティング戦略の立案、価格設定など、ビジネス戦略に活かすことができます。
4. BigQueryを使った消費支出データ分析例
今回はBigQueryの公開データの酒類販売データを使ってアメリカ人の消費行動を分析してみましょう。
BigQuery分析例:アイオワ州における酒類販売額の推移
まずはアイオワ州における酒類販売額の推移を時系列で見てみましょう。
SELECT
EXTRACT(YEAR FROM date) AS year,
EXTRACT(MONTH FROM date) AS month,
SUM(sale_dollars) AS total_sales
FROM `bigquery-public-data.iowa_liquor_sales.sales`
GROUP BY year, month
ORDER BY year, month
実行結果
【BigQuery SQL解説】
- EXTRACT(YEAR FROM date) と EXTRACT(MONTH FROM date) で、日付から年と月を抽出します。
- SUM(sale_dollars) で、月ごとの売上合計を計算します。
- GROUP BY year, month で、年と月ごとに集計します。
- ORDER BY year, month で、年と月順に並べ替えます。
【BigQuery分析での活用例】
- アイオワ州における酒類販売額の年間推移を把握することで、市場全体の成長傾向や季節変動を把握することができます。
- 特定の期間における売上額の変化を分析することで、消費者の嗜好の変化や経済状況の影響を分析することができます。
BigQuery分析例:アイオワ州における酒類販売量上位10カテゴリー
次にアイオワ州で最も売れている酒類のカテゴリーを調べてみましょう。
SELECT
category_name,
SUM(volume_sold_liters) AS total_volume_sold,
SUM(sale_dollars) AS total_sales
FROM `bigquery-public-data.iowa_liquor_sales.sales`
GROUP BY category_name
ORDER BY total_volume_sold DESC
LIMIT 10
【BigQuery SQL解説】
- SUM(volume_sold_liters) で、カテゴリーごとの販売量合計を計算します。
- SUM(sale_dollars) で、カテゴリーごとの売上合計を計算します。
- GROUP BY category_name で、カテゴリーごとに集計します。
- ORDER BY total_volume_sold DESC で、販売量の多い順に並べ替えます。
- LIMIT 10 で、上位10件のみを表示します。
【BigQuery分析での活用例】
- アイオワ州における酒類のカテゴリー別販売量と売上額を比較することで、人気のあるカテゴリーや、高価格帯で売れているカテゴリーを特定することができます。
- 上位カテゴリーの経年変化を分析することで、消費者の嗜好の変化を捉え、今後のトレンドを予測することができます。
注意点
これらのクエリは、BigQuery公開データに基づいています。データの正確性や最新性については、実際のBigQuery公開データをご自身でご確認ください。
当該分析は、様々な要因を総合的に判断する必要があります。これらのクエリは分析の一例であり、意思決定の根拠として単独で使用すべきではありません。
参考記事
5. FAQ:BigQueryに関するよくある質問
Q1. BigQueryの無料枠を超えて利用すると、どのくらい費用がかかりますか?
A1. 無料枠を超えた場合、従量課金制で料金が発生します。料金は、処理したデータ量やストレージ容量などによって異なります。詳しくは、BigQueryの料金ページをご確認ください。
Q2. BigQueryで使えるSQLは、他のデータベースと同じですか?
A2. BigQueryは標準SQLをサポートしており、他のデータベースで学んだSQLの知識を活かすことができます。ただし、BigQuery独自の関数や構文も存在するため、BigQueryのドキュメントで詳細を確認することをおすすめします。
Q3. SQLの学習には、どのような教材がありますか?
A3. SQLの学習には、オンライン学習サイト、書籍、動画教材など、様々な教材があります。初心者向けの教材から、上級者向けの教材まで、レベルに合わせて選ぶことができます。Googleが提供するBigQueryのチュートリアルもSQLの学習に役立ちます。
6. まとめ:BigQueryで消費トレンドを分析し、ビジネス戦略に活かそう!
BigQueryは、消費支出データ分析に最適なツールです。BigQueryの高速な処理性能、豊富な分析機能、そして無料公開データセットを活用することで、アメリカ人の消費行動から経済動向を分析し、ビジネス戦略に役立てることができます。ぜひ、BigQueryを導入し、データ分析の力をビジネスに活かしましょう。
BigQuery導入サポート、転職検討中の方はお問い合わせフォームからご相談くださいませ。
誠心誠意精一杯対応いたします。
【参考URL】
GoogleCloudPlatform:https://console.cloud.google.com/welcome/new
BigQuery:https://cloud.google.com/bigquery?hl=ja
BigQueryリリース情報:https://cloud.google.com/bigquery/docs/release-notes
BigQuery料金:https://cloud.google.com/bigquery/pricing
BigQuery料金無料枠:https://cloud.google.com/bigquery/pricing?hl=ja#free-tier
Google Cloud活用事例:https://cloud.google.com/customers/index.html?hl=ja#
Looker Studio:https://cloud.google.com/looker-studio?hl=ja
Looker Studioサンプル:https://cloud.google.com/bigquery/docs/visualize-looker-studio?hl=ja