記事の対象者と解消できるお悩み
【対象者】
初中級データアナリスト
【興味関心】
- 防犯対策
- リスク管理
- 地域の安全性
- データに基づいた意思決定
- 公開データの活用
【解消できるお悩み】
- オフィスや店舗のセキュリティ対策を強化したいけど、具体的な方法がわからない…
- 出店計画を立てる際に、地域ごとの安全性を考慮したい
- 犯罪発生率などのデータを活用して、リスクを事前に予測したい
- BigQueryを使って、犯罪に関するデータ分析ができるの?
- 無料のデータを使って、防犯対策に役立つ情報を得たい
記事作成者
【人物】株式会社志庵 代表取締役 佐藤 光 起業6年目
【経歴】株式会社光通信➜光通信同期と起業➜データアナリスト転職➜SaaSで2度目起業
【会社実績】
SaaS 資金調達無しARR2億円
SaaS GMV200億円
【内容】自社AaaSであるStruccle、webスクレイピング、BigQueryに関する記事を作成
各種用語
- ARR(Annual Recurring Revenue)
- サブスクリプションサービスの年間売上※当社はSaaS売上
- Struccle(ストラクル)
- 株式会社志庵が独自開発しているAaaS
- AaaS(アース)
- Data Analytics as a Serviceの意
- SaaS(サース)
- Software as a Serviceの意
- GoogleCloudPlatform
- Googleが提供するクラウドプラットフォーム。この中に様々なサービスが存在する。
- GCP(ジーシーピー)
- GoogleCloudPlatformの略
- BigQuery(ビッグクエリ)
- 上記GCPの中に含まれるデータ分析基盤サービス
- SQL(エスキューエル)
- データベースを操作するプログラミング言語
- クエリ
- SQLで記述した命令文
- クエリ例)
- SQL構文のクエリ⬇
SELECT item_name, price FROM sales_table where price >= 1000;
- 上記クエリ(命令文)の意味としては「売上テーブル(sales_table)から価格(price)が1000円以上の商品名(item_name)と価格(price)を抽出する」
- SQL構文のクエリ⬇
- ペタバイト
- データの単位 ペタバイト=1000テラバイト=約100兆行のデータ
概要
安全な街づくりは、都市の魅力を高め、住民の生活の質を向上させる上で重要な課題です。犯罪発生状況を分析し、その傾向や特徴を把握することは、効果的な犯罪予防対策や地域安全計画を立案するために不可欠です。
今回は、テキサス州オースティン市の公開犯罪データを使い、BigQueryの強力な分析機能を活用して、犯罪発生率と地域特性の関係性を探り、安全な街づくりのための施策を検討します。この記事では、具体的な分析例を通して、データ分析がどのように犯罪予防に役立つのかを明らかにします。
目次
- BigQueryで犯罪データ分析を行うメリット
- 分析に使用するBigQueryのデータセット
- BigQueryで犯罪データ分析を行う手順
- BigQueryを使った犯罪データ分析例
- FAQ:BigQueryに関するよくある質問
- まとめ:BigQueryで犯罪を分析し、安全な街づくりに貢献しよう!
1. BigQueryで犯罪データ分析を行うメリット
BigQueryは、犯罪データ分析に最適なツールです。その理由は、以下の様なメリットがあるからです。
- 大規模データの高速処理: 膨大な犯罪データを高速に分析できるため、犯罪発生の傾向や地域特性を効率的に把握できます。
- 様々なデータソースとの連携: 公開データ、警察データ、人口統計データ、地理空間データなど、様々なデータソースと連携できるため、犯罪発生に影響を与える要因を多角的に分析できます。
- 豊富な分析機能: SQL、機械学習、統計分析など、高度な分析機能を利用できるため、複雑な分析にも対応できます。
- コストパフォーマンスの高さ: 従量課金制なので、必要な時に必要なだけ利用でき、コストを抑えられます。
- 高いセキュリティ: Google Cloudの強固なセキュリティ基盤により、安心してデータを管理できます。
2. 分析に使用するBigQueryのデータセット
今回の分析では、BigQueryの公開データセット「Austin Crime Data」を使用します。このデータセットには、テキサス州オースティン市で発生した犯罪に関する情報が格納されています。データの内容は、犯罪の種類、発生日時、発生場所、事件番号などです。
3. BigQueryで犯罪データ分析を行う手順
BigQueryで犯罪データ分析を行う手順は以下の通りです。
3.1 1. データ確認
まず、データセットの内容を確認します。BigQueryコンソールのUIでデータセットのスキーマを確認したり、サンプルデータをプレビューしたりすることで、データの構造や内容を理解することができます。`austin_crime` データセットには、 `crime` テーブルが含まれており、犯罪に関する詳細情報が記録されています。
3.2 2. データ加工
必要に応じて、データを加工します。例えば、日付データを年、月、日、曜日などに分割したり、特定の条件でデータをフィルタリングしたり、集計を行ったりします。BigQueryは、SQLを使ってデータ加工を行うための様々な関数を提供しています。
3.3 3. データ分析
加工したデータに対して、SQLクエリやBigQuery MLなどを用いて分析を行います。例えば、犯罪の種類別件数、地域別の犯罪発生件数、時間帯別の犯罪発生件数、犯罪発生率の推移などを分析することができます。また、人口統計データや地理空間データなどと組み合わせることで、犯罪発生率と地域特性の関係性を分析することも可能です。
3.4 4. 考察と分析結果の活用
分析結果に基づいて、安全な街づくりのための施策を検討します。例えば、特定の種類の犯罪が多い場合は、その犯罪に対する予防対策を強化したり、市民への注意喚起を強化したりするなどの対策が考えられます。また、特定の地域で犯罪が多い場合は、その地域の防犯パトロールを強化したり、街灯を増設したりするなどの対策が考えられます。
4. BigQueryを使った犯罪データ分析例
今回は、BigQuery公開データセットbigquery-public-data.austin_crime.crimeを使って、犯罪発生状況を分析し、安全な街づくりのための施策を検討します。
このデータセットには、オースティン市で発生した犯罪に関する詳細な情報が含まれており、犯罪の種類、発生場所、発生日時などが記録されています。
データ分析を通して犯罪の傾向や特徴を把握することで、より効果的な犯罪予防対策を立てることが可能になります。
BigQuery分析例:発生時間帯別・犯罪種別分析
犯罪種別ごとに、発生しやすい時間帯を把握するため、犯罪発生日時(timestamp)の時間帯別に、犯罪種別(primary_type)ごとの件数を集計します。
SELECT
EXTRACT(HOUR FROM timestamp) AS crime_hour,
primary_type,
COUNT(*) AS crime_count
FROM `bigquery-public-data.austin_crime.crime`
GROUP BY 1, 2
ORDER BY crime_hour, crime_count DESC
【BigQuery SQL解説】
- EXTRACT(HOUR FROM timestamp) で、犯罪発生日時の時間帯を抽出します。
- COUNT(*) で、犯罪種別と時間帯ごとの犯罪発生件数をカウントします。
- GROUP BY 句で、犯罪種別と時間帯ごとに集計します。
- ORDER BY 句で、犯罪種別と時間帯順に並べ替えます。
【BigQuery分析での活用例】
- 犯罪種別ごとに発生しやすい時間帯を特定することで、犯罪発生メカニズムの解明や、効果的な犯罪予防対策の立案に役立ちます。
- 特定の時間帯に発生しやすい犯罪と、その時間帯の地域特性(例:人通り、照明状況)との関係を分析することで、犯罪が発生しやすい場所や状況を特定することができます。
BigQuery分析例:地区別・犯罪種別分析
地区(district)ごとに、どの種類の犯罪が多いのかを把握するため、地区別・犯罪種別(primary_type)に件数を集計します。
SELECT
district,
primary_type,
COUNT(*) AS crime_count
FROM `bigquery-public-data.austin_crime.crime`
GROUP BY 1, 2
ORDER BY district, crime_count DESC
【BigQuery SQL解説】
- COUNT(*) で、地区と犯罪種別ごとの犯罪発生件数をカウントします。
- GROUP BY 句で、地区と犯罪種別ごとに集計します。
- ORDER BY 句で、地区と犯罪発生件数順に並べ替えます。
【BigQuery分析での活用例】
- 地区ごとに発生する犯罪の種類を把握することで、地区特有の犯罪傾向を理解し、地域に最適化された対策を講じることができます。
- 犯罪発生率の高い地区に、防犯カメラの設置やパトロールの強化といった対策を重点的に実施することで、犯罪抑止効果を高めることができます。
注意点
- これらのクエリは、BigQuery公開データに基づいています。データの正確性や最新性については、実際のBigQuery公開データをご自身でご確認ください。
- 当該分析は、様々な要因を総合的に判断する必要があります。これらのクエリは分析の一例であり、意思決定の根拠として単独で使用すべきではありません。
5. FAQ:BigQueryに関するよくある質問
Q1. BigQueryの無料枠を超えて利用すると、どのくらい費用がかかりますか?
A1. 無料枠を超えた場合、従量課金制で料金が発生します。料金は、処理したデータ量やストレージ容量などによって異なります。詳しくは、BigQueryの料金ページをご確認ください。
Q2. BigQueryで使えるSQLは、他のデータベースと同じですか?
A2. BigQueryは標準SQLをサポートしており、他のデータベースで学んだSQLの知識を活かすことができます。ただし、BigQuery独自の関数や構文も存在するため、BigQueryのドキュメントで詳細を確認することをおすすめします。
Q3. SQLの学習には、どのような教材がありますか?
A3. SQLの学習には、オンライン学習サイト、書籍、動画教材など、様々な教材があります。初心者向けの教材から、上級者向けの教材まで、レベルに合わせて選ぶことができます。Googleが提供するBigQueryのチュートリアルもSQLの学習に役立ちます。
6. まとめ:BigQueryで犯罪を分析し、安全な街づくりに貢献しよう!
BigQueryは、犯罪データ分析に最適なツールです。BigQueryの高速な処理性能と豊富な分析機能を活用することで、犯罪発生の傾向を把握し、安全な街づくりに役立てることができます。この記事で紹介した分析手順や分析例を参考に、BigQueryを使った犯罪データ分析に挑戦し、より安全な社会を目指しましょう。
BigQuery導入サポート、転職検討中の方はお問い合わせフォームからご相談くださいませ。
誠心誠意精一杯対応いたします。
【参考URL】
GoogleCloudPlatform:https://console.cloud.google.com/welcome/new
BigQuery:https://cloud.google.com/bigquery?hl=ja
BigQueryリリース情報:https://cloud.google.com/bigquery/docs/release-notes
BigQuery料金:https://cloud.google.com/bigquery/pricing
BigQuery料金無料枠:https://cloud.google.com/bigquery/pricing?hl=ja#free-tier
Google Cloud活用事例:https://cloud.google.com/customers/index.html?hl=ja#
Looker Studio:https://cloud.google.com/looker-studio?hl=ja
Looker Studioサンプル:https://cloud.google.com/bigquery/docs/visualize-looker-studio?hl=ja