Struccleデータを使った集計シリーズです。
今回は650万件もの大規模データを利用。
全国47都道府県を対象に価格の変動(変化率)に焦点を当てて「グーネット」と「SUUMO」からデータをStruccleでスクレイピングし、集計分析をしてみました。
記事の対象者と興味関心

集計の目的と必要性
集計の目的としては以下のようなことが挙げられます。
- 中古車販売店において取り扱う車種の需要を把握し供給をコントロール
- 不動産賃貸においては決まりやすい物件の提案に活用
- 人気車種のトレンドを知って販売戦略に活用
細かく多角的にデータを収集・分析することで、地域・商材カテゴリごとの特性に着目して今後の動向を予測し戦略を策定することが重要です。
集計データ概要・絞り込み条件
1:グーネット×SUUMO(複合分析)
グーネットとSUUMOをスクレイピングしたデータで複合的に分析することにより生活コストの中で大きな割合を占める、賃料と自動車を横断的に分析することにより、消費者動向を把握し新たな事業展開の取っ掛かりとなる。
2:グーネット(中古車販売サイト)
- 対象サイト:グーネット
- カテゴリ:中古車
- 対象エリア:全国
- 収集方法:スクレイピング
- 件数:1,417,664件(昨年685,748件 + 今年731,916件)
- 収集の期間:2024年9月、2025年9月
- 主な項目(データ列):車種、価格、年式 など

3:SUUMO(不動産掲載サイト)
- 対象サイト:SUUMO
- カテゴリ:賃貸
- 対象エリア:全国
- 収集方法:スクレイピング
- 件数:5,093,926件(昨年2,710,763件 + 今年2,383,163件)
- 収集の期間:2024年9月、2025年9月
- 主な項目(データ列):物件名、住所、賃料 など

この記事では商材の価格変動に焦点を当てているため「変化率」という言葉を使います。
前年と今年の差分を、前年の数値で割って算出します。
【計算式】変化率 (%) = (今年の数値 – 前年の数値) ÷ 前年の数値 × 100
グーネット × SUUMO(複合分析)
グーネットの「平均中古車価格」、SUUMOの「平均賃料」ともに変化率は1年で上昇していました。
近年は円安などによる影響で物価が上昇したり、労働力不足による人件費の増加などが起こっている関係かこのような結果となりました。
物の値上げや不動産の値上がり(東京に住んでいるため)などはニュースでよく耳にするので、中古車も同様なのだなと違和感はありませんでした。

グーネット
車種別と都道府県の視点で変化率を見てみます。
車種別については「ステップワゴン」の変化率が突出しているのが特徴的でした。
これは同程度の掲載件数の他車種と比べても一目瞭然でした。
半導体不足解消から市場に出回る台数も増えたことも関連すると思われますが、「カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー2024」で1位取るなど注目度が一気に向上したことによる人気上昇が一因と考えられます。

都道府県別については掲載件数の多い愛知県をはじめとする上位5エリアでは変化率がプラスで平均価格が上がっているものの突出してはおらず、掲載件数の中央値付近に位置する大分県や、掲載件数の少ない青森県・福井県などの変化率が突出していました。
掲載件数が少ないため振れ幅が出ている可能性がありますが、詳細に分析するには各都道府県別の車種の比較分析等が必要だと感じました。
今後の集計で深堀りしていきます。

SUUMO
都道府県別の変化率を見てみます。
中古車の平均価格と異なり、概ね掲載件数と比例して平均賃料の変化率が上昇していますが、沖縄県と山梨県のみ掲載件数がほとんど最下位なことに反し、変化率が跳ね上がっています。
ダウンロードできるレポートに東京23区を市区町村別に集計した資料もありますので、ぜひダウンロード(新タブのダウンロードリンク)いただき詳細レポートをご確認ください。

まとめ
集計レポートには中古車市場における上昇総額のうち何割がどこのエリアを占めるのか、賃料総額や掲載件数から供給不足が深刻化しているエリアはどこなのかなど多角的に細かく集計分析しております。
視点や切り口を変えて見てみると新たな発見があるかもしれません。
集計レポートは無料でダウンロードできます。
無料で使えて「テンプレート機能」と「AIへの指示」で”最新の大量データが好きなタイミングで取得できる”Webスクレイピングツール「Struccle」とあわせてご活用ください。
また、データ活用に関するご相談・お問い合わせなどもお気軽にご連絡ください。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
 
            
