本記事はStruccleデータを使った集計シリーズです。
今回は東京都内の都心地区に焦点を当てて「食べログ」と「SUUMO」からデータをスクレイピングし、集計分析をしてみました。
記事の対象者と興味関心
【この記事から得られるもの】
- 地域における飲食店の新規出店傾向
- 不動産投資におけるトレンドの把握
- 効果的な飲食広告の施策策定軸
【この記事の対象はこんな方】
- 飲食店の新規出店を検討中
- 飲食店へ営業をかけたい
- 飲食関連の効果的な広告を打ち出したい
- 不動産投資を検討
- スクレイピングデータでできることを知りたい
集計の目的と必要性
集計の目的としては以下のようなことが挙げられます。
- 新規出店・事業開発の戦略立案に活用する
- 不動産投資の判断材料として活用する
- マーケティング・営業戦略の策定に活用する
いずれにも共通して言えることは最新の情報をスクレイピングすることでタイミングを逃さず先手を打った行動が重要で、効果的な施策を打つために細かい分析とターゲティングが必要ということです。
集計データ概要・絞り込み条件
1:食べログ×SUUMO(複合分析)
食べログとSUUMOをスクレイピングしたデータで複合的に分析することにより、各エリアの成長性と将来性を評価します。
2:食べログ(飲食店掲載サイト)
- 対象サイト:食べログ
- カテゴリ:ニューオープン
- 収集方法:スクレイピング
- 件数:1,195件
- 対象エリア:東京都
- 収集のルール:掲載されている店舗のうち、オープン日が新しい順
- 収集の期間:直近約3ヶ月分(2025/08/18〜2025/11/21)
- データ取得日:2025年10月21日
- 項目(データ列):店舗名、住所、電話番号、価格、オープン日 など

3:SUUMO(不動産掲載サイト)
- 対象サイト:SUUMO
- カテゴリ:賃貸
- 収集方法:スクレイピング
- 件数:815,189件(前年度・今年度合計)
- 対象エリア:東京都
- データ取得日:
- 前年度分:2024年9月1日〜2024年9月30日
- 今年度分:2025年9月1日〜2025年9月30日
- 項目:物件名、住所、賃料 など

食べログ×SUUMO(複合分析)
「商業の活発度」と「居住ニーズの拡大」を2つの評価軸とし、各エリアの成長性と将来性を評価します。
新規出店数と平均賃料(東京23区)
- X軸(横):新規出店数(食べログ) → 商業の活発度
- Y軸(縦):平均賃料上昇額(SUUMO) → 居住ニーズの拡大
表にプロットすると以下のように4つに分類できます。

ここに各エリア(区)を値として落とし込むと、港区が突出していることがわかりますね。
平均賃料の上昇額、新規出店数共に最も多いことから都内最大の成長エリアということが言えます。

次に、将来性に焦点を当てて注目エリアを見つけ出しましょう。

港区とそれ以外の乖離が激しいため今回は港区を外れ値として扱いますが、そうすると豊島区、新宿区、中央区がおおよそ右下にきているのがわかりますね。

新規出店数が多い割に平均賃料の上昇額が相対的に低く、このエリアは将来性に注目できると言えるでしょう。

食べログ集計
スクレイピングで取得した新規出店数や口コミ評価、平均価格などを元に多角的な視点で新たな発見があるかを見ていきます。まず、エリア別の新規出店数についてです。
こちらは都内によくいらっしゃる方は想像がつくかと思いますが、エリアとしては港区が最も多く傾向としては主要駅付近の出店数が多く見られました。

そして個人的に意外に思ったのは、「平均評価 – 新規出店数」の複合分析結果における江戸川区です。
江戸川区は他の区と比べ新規出店数がかなり少ないですが、突出して平均評価が高いということがわかりました。
これを踏まえて江戸川区の新規出店店舗やユーザーなどの特徴を掘り下げて調査すれば、何か得られるものがあるかもしれません。※荒川区の店舗は評価なし

下図から江戸川区の口コミ数は全体の2番目と多いことがわかります。

また、箱ひげ図からも江戸川区の新規出店店舗の評価が高いことがわかります。

また、「新規出店数 – 平均保存数」の複合分析結果における渋谷区も興味深い結果となりました。
渋谷区は新規出店数が多い傾向にあるのもさることながら、平均保存数が突出しています。
インスタグラムやTikTokのようなSNSでの広告宣伝など、若者向けの集客が活発であることの印かもしれませんね。
※平均保存数:食べログにおけるブックマークのような機能のこと

平均口コミ数と平均保存数を比較するとは概ね似たような傾向があることがわかります。

SUUMO集計
都内賃貸平均価格の前年比上昇金額の分析ということで、スクレイピングして収集したデータの傾向を見てみましょう。この結果は非常にシンプルで港区の平均賃料が最も向上していました。
前年・今年各平均価格においても、全体的に価格の上昇幅などに大きなバラつきは見られませんでした。

まとめ
今回は食べログとSUUMOを横断した複合的集計で、全体概要の分析になっています。
「意外だった」「もっと深掘りして欲しい」「港区って一口に言ってるけど新橋が多いんじゃない?駅別でも見てみたい」等もあったかと思います。
ですのでさらに深掘り、詳細な集計は別の機会に設けます。
データによって裏付けを取った上での戦略策定が重要です。弊社は意思決定を全力でサポートいたします。
テンプレート機能とAIへの指示で簡単にWebスクレイピングができる「Struccle」なら最新の大量データがご希望のタイミングで楽に入手および分析できます。
皆様のビジネスにもぜひご活用くださいませ。
データ活用に関するご相談・お問い合わせなどお気軽にご連絡ください。
ここまでお読みいただきありがとうございました。

